4、5日の両日、幸恒子さん（戒名「清月妙恒大姉」）の葬儀がしめやかに営まれた。春秋苑（川崎市多摩区）の青蓮堂に『般若心経』が流れる中、棺に横たわる恒子さんの顔は安らぎに満ちていた。
見城宗忠師による『四弘誓願文』のお経が終了し、棺の中に切花を供える儀式に移ると、堂内にキース・ジャレットのピアノソロが流れた。その透明感ある音色は、私たちの前で静かに眠る恒子さんの白く透き通った肌と見事なハーモニーを醸し出した。
かわさき北部斎苑（津田山）に向かう車中、何気なく見上げた空は藍一色、雲ひとつ浮かんでいなかった。一点の曇りのない清廉な恒子さんの旅立ちにふさわしい日だな、と私は思った。
２、3日と恒例の箱根駅伝がおこなわれ、東洋大学が歴史的な勝利をおさめた。往路復路総合で大会新記録を樹立、事前予想で優勝候補一番手に上がっていた駒沢大学に9分以上の大差をつけて圧勝。終わってみれば東洋の独り勝ち、独壇場だった。やっぱり、五千メートル、一万メートルのタイムが速い選手を多く擁しても（駒沢のこと）、箱根では勝てないという証左だろう。全区間20キロ前後の距離は別物なのだ。さらに柏原選手が走った5区の長くて急激な山登りが存在するから、箱根駅伝は他の駅伝とは明らかに一線を画している。今後、駒沢も20キロに耐えられるスピード選手を本気で養成してくるにちがいない。そうなると、来年こそ駒沢の独壇場になる可能性が生じてこよう。
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