先週発売された『週刊朝日』がまったく手に入らない。最近週刊誌など読まないから、橋下徹大阪市長の特集記事が出たことなど全く知らず、当の橋下が『週刊朝日』並びに『朝日新聞』を「人権侵害だ」と批判・非難している記者会見をテレビで見て、その記事の存在を知った。
特集記事の筆者がノンフィクションライターの佐野眞一だったので、ますます読んでみたいと思ったのだが、すでに時遅く、書店には影も形もなく、ネット上でプレミアがついて売買されているようだ。
結局、『週刊朝日』側が謝罪し、特集の連載を中止断念したことで、幕が引かれた。
いったいどうしたんだ『週刊朝日』と佐野眞一！ちょっとお粗末すぎないか！橋下の反論など大いに予想がついていたのじゃないのかね。以前にも『文春』や『新潮』が同様の橋下の出自に関わる記事を発表していたが、その周辺のことを書けば、人権とかプライバシーとか言われるのは想定内だろう。
私個人としては家庭環境とか生い立ちではなく、現在の言動でその人物を追求・批判すべきだと思っているけれども、敢えてそこに踏み込むならば、徹底的に検証し論証するべきだろう。しかし、当人から反論があったら、早々と第一回で特集記事を打ち切ってしまった。徹底的にやる前に入口で撤退する体たらくはいったい何事か！
『東電OL殺人事件』で佐野眞一の力量を知り、その後も注目していた作家だが、今回の件で自ら表に出てきて発言しないのはなぜなのか？作家たるものペンで答えようと考えているならば、速やかに『週刊朝日』の次号（あるいは他紙）で釈明なり弁明なりしてほしいものである。
日本維新の会の勢いもおさまったやに思えた矢先、橋下にとっては人気を再加速する好機となったのではないか。このままでは、橋下の正体を暴いて、権力者の地位から引きずりおろそうという思惑とは逆の結果となった『週刊朝日』＝佐野眞一の責任は大きいと言わざるを得ない。
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