この連休中、４日に山梨県へ法事で出かけ、５日に昔の同期と酒を酌み交わしたぐらいで、実家の往復以外はほとんど自宅で読書とDVD鑑賞で過ごした。
瀬戸内寂聴の『孤高の人』─作品中に個性溢れる作家たちが多く出てくるけれども（瀬戸内寂聴自身かなりユニークな存在だ）、ロシア文学の湯浅芳子には敵わない。だが、大正・昭和の時代であったからこその個性であり生き方であったのかもしれない。現代では平凡とまでは言わずとも、そこまで孤高な存在とはならなかっただろう、と思う。湯浅芳子と宮本百合子のことが映画化されたようなので、機会があれば観てみようか。
『大統領の料理人』（クリスチャン・ヴァンサン監督、2012製作）─フランスの大統領のプライベートシェフとして召し抱えられた唯一の女性料理人（カトリーヌ・フロ）のストーリーだが、シェフの人物像よりフランス料理の奥深さに圧倒された。作品全体の出来としては中程度。ところで、ミッテラン大統領役の俳優を観て、イーライ・ウォラックが演じていると信じて疑わず、最後のクレジットが流れたところで、私の間違いであることに気づいた（演じたのはジャン・ドルメソン）。アメリカのベテラン俳優がなぜ？フランス語がやけに流暢だな、と思いつつ、最後までイーライ・ウォラックと決めつけていたのだから笑っちゃう。ま、それだけ似ていたのです（イーライ・ウォラックは『荒野の七人』や『ゴッドファーザーパート３』その他出演作多数の大ベテラン男優で、１００歳の今でも現役だそうだ）。
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