老後は民生委員をやりながらスポーツや旅行を楽しんでいた知人が急にがんを宣告された。健康優良児ならぬ「健康優老人」と自他ともに認めていただけに、いきなりがんの宣告を受けるというのは、さぞかし気落ちしたことだろう。とはいえ、手術を受ければ回復が望めそうなので、私もほっと胸を撫で下ろしたしだい。
今やいつ誰ががんになってもおかしくない「がんの大量増殖時代」。そうした中、病院での検診をいっさい受けない私など自覚症状が出た時点で早期発見・早期治療は望めず、ハイ手遅れ、人生お疲れさまでした、ってことになるにちがいない。転移性のがんだったら、さっさと諦めて死出の旅支度をするのが賢明である。そして、例の余命何日という、医者の捨てゼリフなど無視し、気ままに好き放題やり放題で余生をまっとうするのが私のしがない夢とあいなる。
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