思いがけず娘を仙元山に連れて行く機会が訪れた。
二日前に「山歩きがしたい」と唐突に娘が言った。それで、昨日の午後、娘を車の助手席に乗せ、三浦郡葉山町へ。コインパーキングに駐車してから、５分ほどで仙元山の入口に到着すると、急坂を目の前にした娘が「こんな坂を上るの？」とゲンナリした表情で聞いた。
確かに葉山教会前の坂は急峻だが、低山（標高１１８ｍ）といえども山歩きは急坂を歩くもの。仙元山の頂上までわずか２０分の間、ぼやくことぼやくこと。小学生のとき、金時山、高尾山などよく山歩きに連れ出したものだが、子ども時代の体験がすっぽりと抜け落ちているのはどうしたことか。
でも、山頂からの景色を見たらぼやき・うめき・なげきは消え失せ、しばしアイフォンで記念撮影に興ずる変わり身の早さはさすが二十歳の若さ。あいにく雲に覆われた空模様に変わってしまい、富士山の勇壮な姿を拝めなかったものの、娘にとって（良くも悪くも）忘れられない休日のひとときになったことだろう。
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