正月休みはずっと山崎豊子の『沈まぬ太陽』を読んでいた。主人公恩地元の不屈の精神に圧倒されるが、ストーリーとしてはこれまでの山崎作品同様、政治と金が蠢く大企業の醜い生態が浮き彫りにされる。エンディングもNAL（JALをモデルにした航空会社）に光が見えるのか見えないのか、義が通るのか通らないのか、山崎の他の作品がそうであるように、判然としないまま、「（五）会長室篇下」は終わる。ところどころ冗長な箇所はあるものの、人間や社会をドライに見つめる作者の目は時代を超えて読者の心をつかむだろう。
昨年『沈まぬ太陽』は渡辺謙主演で映画公開されたばかりなので、できたら劇場で観てみたいと思う（もうやってないか）。
これまで数多く山崎豊子の小説は映画化・テレビ化されている。印象に残る作品は『ぼんち』『女の勲章』『白い巨塔』『華麗なる一族』など多数。中でも、NHKで放映された『大地の子』は胸に熱く残る忘れられないドラマだった。
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