菅首相が補正予算が成立し、各党へあいさつに回ったとき、社民党の福島瑞穂党首は菅首相との対面後に「浜岡原発の運転停止もよろしく」といった内容を菅首相に投げかけていたが、驚いたことに本当に浜岡原発がストップと相成った。自民党が政権党だったら、まず考えられない事態である。
それより少し前、今月5日の朝日新聞朝刊で、自民党の原発推進派が「原子力守る」政策会議を発足したとの記事が掲載された。と同時に、原発推進派である東京電力出身の元国会議員・加納時男氏と脱原発の衆院議員・河野太郎氏のインタビュー記事が載った。
河野太郎氏が自民党でも珍しい脱原発論者だと私は初めて知った。原発推進派の前出の加納氏は河野氏について、「反原発の政党で活躍すればいい。福島瑞穂党首は私の大学（東大）の後輩だから（社民党に移ればいい）」とまで言っている。河野氏は、原発の「安全神話」を作ったのは自民党、経済産業省、電力会社と決めつけ、電力会社がばら撒いた金を受け取った政・官・産・学・メディアの五角形が「安全神話」の作り手だと断言する。いやあ、河野氏の弁舌は論旨が明快だ。世論調査では原発現状維持が半数占めているという投げかけに対しても、「正しい情報が伝わっていないからだ。時間をかけて原子力を止めていけば国民の暮らしへの影響は少ない。原子力は環境にやさしくない。海外では再生可能エネルギーが伸びているが、日本では加納氏らが『原子力の邪魔』とつぶしてきた」と脱原発の軸はずれない。
浜岡原発運転停止は民主党の英断だと私は思う。それをさらに進めて、全国にある原発を停止する方向で見直したらいいと思う。地震大国日本では原発の存在はリスクがあまりにもでかすぎるからだ。
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