23日に実施された実業団女子駅伝西日本大会で野口みずき選手が１０カ月ぶりに復帰し、３区（10.2キロ）を32分25秒の区間賞と快走、今後ロンドンオリンピック女子マラソンの代表を目指すらしい。日本女子マラソン界にとって、今月9日に行われたシカゴマラソンで3位に入った福士加代子選手と野口が代表争いに加わるのは明るい材料だろう。これで、渋井陽子が復調して参戦してくれると、世界的なビッグネームが揃ってきて、面白くなるのだが、いったい渋井はどうなっているのか？
ともかく、アテネの金メダリストが従来の走りを見せれば、最強のアフリカ勢もうかうかしていられないだろう。オリンピックは独特の雰囲気があるから、記録がいい選手が勝てるほど単純な大会とはならない。五輪で金をとった野口の実績は誰も軽んじることはできない。野口には、期待されながら北京に出場できなかった無念を、スカッと晴らしてほしいと思う。
ドラマ『mother』で注目した芦田愛菜が大ブレークしている。最近はそのモーレツな働きぶりを心配する声も上がっている。『マルモのおきて』でドラマアウォード主演女優賞を獲得し、CM出演数は12本で、CM女王の上戸彩を脅かす存在だというから、愛菜ちゃんのおかあさん（芦田家）はさぞホクホクなのだろう。しかし、稼げるうちに稼いでおこうでは、愛菜ちゃんの女優としての将来が心配になってくる。一介のオレが心配しても仕方ないけど、高峰秀子が、愛菜ちゃんと同じぐらいから活躍し、大女優になった唯一無二の存在で、その後は誰一人として人気を博した子役から大成したものはいない（杉田かほるも子役のときは凄かったが、成長後の実績はパッとしない）。小さいときから回りにチヤホヤされ天狗になったり、金銭感覚が麻痺したり、両親が派手な生活にのめりこんで、家庭崩壊したりと、共通した難しさがあるようだ。
ドラマアウォードの授賞式で、司会の石坂浩二が「高峰秀子のような女優になって」と愛菜ちゃんに声をかけたという。いきなり高峰秀子と言われたって、愛菜ちゃんも「？？？」だっただろうけど、気持ちは私も石坂浩二と同じである。でも、使い捨てが当たり前の今の芸能界にあって、高峰秀子になるのは、正直、万にひとつの確率だろう。素質があっても、温かく見守って、育てていこうという人間ではなく、ハイエナのような人間ばかりに取り囲まれている。生き残るのは至難だ。あの愛くるしい笑顔がいつまで翳らずにいられるか、甚だ心配である。
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