4日の福岡国際マラソンをテレビで観た。この大会は世界でも名高いマラソンレースだが、今年の顔ぶれを見て、正直、トップランナーが見向きもしない2流の大会に格下がったなあと思った。瀬古利彦が現役で活躍している頃は、世界の名だたるマラソンの強豪たちがこぞって出場した伝統ある福岡国際マラソン。実に寂しい限りであった。
ま、世界で活躍する日本人選手が不在のこの地にわざわざやってくる選手もいないだろう。マラソンファンのひとりとして、早く第二の瀬古利彦が出現するのを願わずにはいられない。
さて、レースは日本のお寂しい選手事情を表わすとおり、ケニヤの無名ランナー、ジョセファト・ダビリが楽々と優勝、日本人選手は最後まで勝負にからむことなく敗北した。
ただ、川内優輝選手の粘りは観るに値した。埼玉県庁の一介の職員である彼は、市民ランナーの星である。実業団のいわばプロランナーたちを蹴散らし、今夏の世界選手権にも出場を果たした。その川内選手、箱根駅伝で“山の神”として活躍したエリートランナー・今井選手とのデッドヒートを制して3位に入ったのは立派だった。世界で戦う力はなくても、日本を元気にしてくれる選手である。ロンドンでは勝負は二の次としても、全力で走りぬく勇姿を見たいと思える稀有な存在だ。
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