4年に1度のうるう年に2月最後の日記を書く。
東京マラソンに出場した川内優輝選手は14位と惨敗した。一方、藤原新選手が2時間7分48秒の好タイムで2位に入った。事前予想で藤原選手は「はまれば期待できる」と見られていたが、まさに見事にはまった走りを見せてくれた。私とすれば、市民ランナーの星・川内選手に頑張ってほしかったけれど、勝負は時の運、残念ながら五輪での勇姿は見られそうもない。でも、オリンピックだけが目標ではないから、別のレースに出場し、あの完全燃焼の走りで見ている者の心を大いに揺さぶってほしいと思う。
名古屋市長の河村たかし氏が「南京事件はなかったのではないか」と発言したことが、中国との外交問題までに波及している。政府は「南京事件は遺憾の事実」という見解を公式に示し、この問題に関して日中間は沈静化していたのにもかかわらず、なぜ今になって河村氏は先の発言をおこなったのか、甚だ理解に苦しむ。その発言を後押しするように、石原慎太郎都知事が賛同する意見表明をして、さらに中国側を刺激している。
南京大虐殺の有無は「有り」とするのが歴史的常識だろう。殺された人数があまりにも膨大で、正確に把握できていない点が、「無い」とする側のつけこむ隙を与えているにすぎない。面白いのは、河村・石原両氏と今や盟友であり、君が代強制条例を成立させた橋下大阪市長が南京事件について両氏に同調せず、冷ややかに判断していることだ。
橋下氏にとって、きっと過去の南京事件などどうでもいいのであろう。そこが、筋金入りの保守主義者や天皇主義者（石原氏が筋金入りとはいわないが、少なくとも保守派の天皇主義である。河村氏についてはわからない）とは違うところで、よく言えばバランス感覚の持ち主、悪く言えばご都合主義者なのだと私は思う。いいかげん亡霊を呼び覚ますようなまねだけはやめてもらいたいものである。
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