午前中、久々に青空が広がり、春の暖かさを含んだ陽光が降り注いでいたが、午後になって曇り出すと寒気が再びぶり返すといったありさま。いいかげん春になれよ、と言いたくなるような天候が続く。
卒業式シーズンに入り、すでに多くの学校で卒業式が挙行されたことと思う。卒業式はいつの時代でも見ている者の心を揺さぶる尊いセレモニーだ。社会の垢や煤や埃に未だまみえぬ生徒たちの旅立ちを温かな目で見送る教師たち。この式には参列者が醸し出す和やかなムードこそ最もふさわしい。
ところが数年前から「日の丸君が代」の職務命令が強化されるようになってから、送り出す職員たちの雰囲気が悪化し、和やかさを失い、感動を損ねる式となっているのではと心配する。いちばんの被害者は主役の生徒たちであるにちがいない。
大阪府立和泉高校の校長は教頭らに指示して「君が代を本当に歌っているか」口の動きを監視させたという。この校長は元弁護士で橋下大阪市長の友人だそうだ。先の最高裁判決で「日の丸君が代」の強制力には問題があるとして、行きすぎを諌める判断が示されている。
この弁護士兼橋下氏の友人兼「民間校長」は卒業式という生徒の巣立ちを祝う晴れの舞台で、教師たちの口元をみて、君が代を歌っているかどうかチェックするという子どもじみた暴挙に出た。友人の橋下氏は当然ながらこの校長の行動を賞賛した。
Shame on you! 恥を知れ！これほど教師の矜持を踏みにじる仕打ちがあろうか。それも教え導いてきた生徒たちの前で。教育行政の横暴、無定見、無節操ぶりは目にあまる。
橋下市長は「公務員として守るべきルールがある」と、ことあるごとに言明している。一方、橋下氏は自らのルール違反を指摘されると、「ルールが間違っている」と言って開き直るご都合主義ぶり。呆れてものが言えない。
演説が巧かったヒットラーと重ねあうイメージのある橋下氏。あなたはいったい誰のためにどこを向いて権力を行使しようとしているのでしょうか？
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