世界遺産に指定され、大盛り上がりを見せている富士山が１日、山開きをした。早速多数の登山客が山頂を目指したという。聞いたところによると、今年から入山料（1,000円）を徴収して、山の整備等に充てるようだが、強制徴収ではないらしい。山道が荒らされ、ゴミが山積する富士山など見たくないから、高額な入山料を強制的に取って、自然を守る道筋をつけるべきだろう。山開きしても、トイレは５日まで使用できないそうだが、登山客にどこでやれというのか。富士山を管理する自治体が自ら富士山の自然を損ねているとしか思えない。トイレ等の整備ができていないなら、山開きを遅らせるべきだった、との声も当然である。
世界遺産登録以後、富士山登頂を目指す人々が増加する勢いだが、まるでマラソンブームに乗って、フルマラソンに参加する人が増える現象と似ている。富士山を完登するのも、フルマラソンを完走するのも準備が必要なのは言うまでもない。とはいっても、軽い気持ちで挑む人たちのなんと多いことか。私は富士山を１度、フルマラソンを２度しか経験していないけれど、どちらもとてもきつかった。特に、富士山登頂は亡き妻と1985年８月に”記念登山”を実行したが、下山後は二人ともヘトヘトだったのを憶えている。
富士山に登るのも結構だ。だが、自然の破壊につながる登山客の急増には一定の歯止めをかけるべきだろう。あくまでも富士山は文化登録である。富士そのものを訪れるのではなく、霊峰富士を駿河湾、富士五湖、三保の松原等々の各地で、歴史に思いを馳せながら愛でることのほうを個人的には推奨したい。
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