昨日メジャーデビューした田中将大投手のピッチングを観た。1回先頭打者にいきなり1発を浴びた。高めに抜けたようなボールで、明らかに失投だった。が、3、4番の強打者をスプリットで3振を奪い、まあまあの滑り出しと私は評価した。ところが、2、3回が悪かった。スプリットが落ちなくなり、緩急の差がない単調な投球となって簡単に打ち込まれた。これはマッキャン捕手のリードミスで、変化球に多く頼りすぎた結果ではないか。メジャーリーグの捕手は日本人投手の持ち球の豊富さをやたら利用したがる傾向がある。松坂、ダルヴィッシュ両投手がデビューした当初も同じような配球をキャッチャーは要求していたのを憶えているからだ。
田中は4回以降ストレートを主体に変えてから、ピッチングの幅が広がり、持ち前の制球力の良さもあいまって、責任イニングを投げきり、味方打線の援護も受け、初勝利を手中にすることができた。田中には直球のスピードをもっと上げ、ストレートをしっかり磨いてほしいと思う。それができればサイ・ヤング賞も夢ではない。
ところで、テレビ解説が元メジャーリーガーの田口壮だったが、打者や守備に関する解説はさすが傾聴に値する分析をしていたけれども、投手に対してはやや的外れのコメントが気になった。大注目の田中投手のデビュー戦であるところから考え、今回は投手出身の解説者が担当するか、少なくとも同席させて解説をおこなってほしかった。昨年、田口の解説は新鮮だったものの、最近は慣れてきたのか饒舌すぎて、かえってつまらなくなった。田口には解説者の仕事は今年限りにして、来年から現場復帰し、良き指導者になってもらいたいものである。
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