突然の衆議院解散で、この師走もまた選挙カーの騒音に悩まされる破目になった。本来ならば野党にとって衆院で絶対多数を占める自公を打ち破る好機であるはずだが、そんな意気は微塵も沸いてこず、野党議員は自分の足元ばかりを見つめ、地固めに右往左往、奔走する始末。これじゃあとても野党が自民党以上に票を獲得するなんて夢のまた夢である。
アベノミクスは消費税先送りすることによって、自ら成果を上げていないと告白したようなものだ。大企業が潤えばみんなも潤う、とはならず、中小、下請け企業は相変わらず不況に喘ぐ。給料が上がらないから消費は冷え込み、デフレから脱却できないのも至極当然。富裕層ばかりが得をするアベノミクスにNoを理路整然と訴え、具体的対案を突きつける野党議員はいないのか？
争点はアベノミクスだけではない。原発再稼動、集団的自衛権、名護市辺野古への移設など政治問題が山積している。特に、沖縄県の辺野古移設問題は、先の県知事選で移設反対派の翁長雄志氏が選出されたことで、民意がはっきりと示されたものの、現政権は移設を見直す気配すらない。日本の国土面積の１％に満たない沖縄に約８０％の米軍基地が存在する実情は依然改善されず、沖縄県民よりも米国の顔色ばかりを窺う非国民的ありようはいつまで許されるのか？
安倍晋三総理は一見柔和で実直そうなご面相だが、「ヒツジの皮を被ったオオカミ」の譬え通り、憲法改悪、国防軍設置と、武力で国際貢献（という名の米国への軍事支援）できる日本を目指すコワイ政治家である。であっても、この衆院選は自公に視界良好、不安要素なし。
というのも、多くの国民はあわただしい師走に追われ、投票所に行かないだろう─ヘタすると投票率５０％を切るかもしれない。投票率が低いほど、組織票をもつ自公は有利だ。そして、意欲も気力も人材もない野党。自公は敵失、オウンゴールで勝利の美酒を飲む。うむ、飲ませたくない！！なにか変わらなきゃ、この選挙にかかる公費７００億円超は死に銭だ！
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