東京都知事選の投票日まであと10日に迫った。テレビでは連日、候補者たち─といっても、21人いる候補者の中でも有力候補と目される小池、増田、鳥越の3人─の遊説先に密着して報道している。注目は小池、鳥越に続く3番手・増田が自公の組織票に浮動票を上積みして、どれだけ得票数を獲得できるかだろう。これからは敵失を狙ったネガティブキャンペンが相当激化してくるにちがいない。
その表れとして、昨日、鳥越の女性スキャンダルが週刊誌によって暴露された。与党側勢力の「鳥越つぶし」がいよいよ火を噴き始めた。鳥越がメディア受けしたのはあのダンディな容貌によるところも大きい。大量の女性票が期待されるだけに、鳥越陣営にとってこの手の攻撃は織り込み済みであっても、浮気・不倫騒ぎは絶対にNG。このまま噴火するのか、鎮火するのか、注目となる。
ジャーナリストとしての鳥越は、ザ・スクープでの「桶川ストーカー事件」報道で実績を残したものの、他に印象に残る記者活動を私は知らない。そこが同じテレビメディアで活躍した故筑紫哲也とは違う点だろう。テレビで見る限り、鳥越は沈着冷静型というより熱血直情型で、どちらかといえば、私の好みのタイプではない。
しかし、個人の好悪は別にして、自民党が強権を握る今の日本には、国にNoをつきつけられる地方自治リーダーが必要である。それも国の舵取りに大きな影響を与える東京都知事は、政府の独走をStopさせる力が期待できる。同じ自民党の小池、増田にそれは無理というもの。
その前提を抜きにして、現在までの3人をみると、増田は狡猾な爪を隠しているような謙虚な姿勢で、政策を具体的かつ実効性があるように訴え、好感度アリ。小池は抜け目なく言葉巧みに自己演出していてマアマア。鳥越が今ヒトツ。政策に具体性がなく、説得力に欠ける。加えて、暑さが体に堪えているようで、なにか心もとなく頼りない。
都知事が誰になるにしろ、投票率が高くなることを強く望む。まずは60パーセントをどこまで超えられるか？以下では話にならない。都民が首長として選んだのは小池であろうと増田であろうと、投票率が70パーセント前後となれば、都民を心からリスペクトしたいと思う。投票率が高くて負けたのならば、鳥越の野党連合は力不足として納得するしかあるまい。
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