いよいよ明日が東京都知事選の投開票日。21人の立候補者たちの中から誰が選ばれるのか注目、と言いたいところだが、もう既に勝負はついているといった印象だ。残念ながら鳥越俊太郎は女性問題をクリーンに出来ず、「大年増の厚化粧」（石原慎太郎弁）ではなく、化粧より面の皮のほうが厚い小池百合子が恐らく知事のポストに座るだろう。
とにかく、ネットやテレビでの鳥越批判が物凄い。桜井よし子や橋下徹、青山繁晴など民進党・共産党憎悪派が総口撃をかけている。今や右翼だとか左翼だとかのイデオロギーの戦いではない。現体制支持派か否か、憲法改正賛成か反対か、原発か反原発か、軍備増強良いか悪いか、米国より沖縄の視点に立つか否か等々など、どっちが未来の日本、次世代の日本人にとって望ましいかを問う戦いである。
自公の現体制を支持せず、憲法改正に反対し、反原発を旗印とする鳥越俊太郎は「期待のホープ」ならず「期待の高齢者・ガンサバイバー」だったが、憲法改正派で原発再稼動賛成、軍備増強も厭わぬ、男よりも怖い小池百合子の軍門に下りそうである。
小池百合子の政見放送を見て、元キャスターだけにさすがに上手いと思った。多少のミスはあっても、それをカバーする豊かな表現力が視聴者にアピールしたと思う。鳥越も誠実さが伝わるようなスピーチだったが、小池には及ばない。「週刊文春」と「週刊新潮」による女性スキャンダル報道がなければ、と思う鳥越支持者たちは多いだろう。私の予想を裏切って、「女性初の都知事誕生」の見出しがつく記事を目にしないことを願うばかりである。
残る関心は、投票率がどこまで上がるか？明日の空模様は行楽日和ではないようなので、60パーセント越えを期待したい。3人の主だった候補者以外にも、泡沫候補と呼ぶには惜しい上杉隆、ジャージ姿の大臣経験者・山口敏夫、地方自治の経験がある中川ちょうぞう等、他の18人の獲得票にも注目しよう。
津久井やまゆり園の入居者19人を虐殺した元職員の男はどこから歪んだ思想の持ち主になっていったのか？障がい者が社会から阻害され、暮らしにくい社会のありように立腹、行政の指導者なり政府高官、つまり権力者なり強者を標的にするならまだしも、弱者たる入居者を狙うとは、それはまったく違うだろう、と抑えがたい怒りを覚えた。
この世に不要な人間は抹殺せよ、はまさにナチスの思想だが、連行される加害者からは英雄を気取った表情が浮かんでおり、やまゆり園での勤務から得た果てがこれでは、被害者家族も浮かばれない。こういう人間は「死刑執行」で簡単に死なせてはいけない。
生かさず、殺さず、男性の平均寿命80歳まで単独房にぶち込んで、被害者の名前を書き続ける日課を与えればよい。80歳を越えたら、自死する選択を与え、まだ反省の苦行を続けたいならば、引き続き独房暮らしさせる。
犯罪実態を見る限り、「死刑」は凶悪犯罪の抑止力になっていない。早い時期に、死刑制度を廃止し、釈放なしの終身刑を含んだ刑法に改正すべきである。
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