「森友問題」に続き、「加計学園問題」が勃発し、安倍政権は土壇場に追い込まれ、危機感を募らせていなければおかしいのに、何か余裕を感じさせるような、浮き足立った空気感がない。そこには何があろうとも国民が支持しているとの傲慢・驕慢な安倍首相の姿勢が如実に現れている。
安倍首相の直接的関与が疑われる「加計学園問題」、新たに前川前文科事務次官が証人として登場したことにより、その「前川つぶし」の一手として、前川のスキャンダルを持ち出し、火消しに躍起になっている政府筋の手法はあまりにも見え透いていて実に醜い。前川も東大卒のエリート官僚らしからぬ下手な言い訳をして、説得力ゼロの醜態ぶりはいただけない。ここは是非とも安倍政権を瀬戸際まで追い込み、追い落とすような働きを見せてほしいものである。
観る気はあまりなくても、つい録画してしまう番組に「橋下×羽鳥の番組」というのがある。橋下徹をやりこめる政治家・知識人を見てみたい、と録画後に内容・顔ぶれをスキャニングするのだが、橋下を言葉の力で押さえ付けられる人物がなかなか現れない。ところがとうとう前回の番組で橋下を見事にやっつける政治家が登場してきた。
米山隆一新潟県知事はどうやら橋下徹の天敵になれる逸材とみた。論理がすっきりしており、わかりやすく説得力がある。橋下のレトリックなどに動じず、自らの理路を丁寧に伝える語り口は橋下の恫喝めいた口調より、はるかに好印象。番組の最後に橋下自身が「橋下は（米山より）器が小さいと見られたかも」と自虐的に言っていたが、反論の組み立て方が感情に流されがちだった橋下よりも、理性的で沈着だった。さすが医師国家試験と司法試験に合格した俊英である。今後の米山の言動に注目していこう。
先日、友人と飲みながら互いに共感したのは、60の還暦を過ぎてからの時間の経過があまりに速いということ。この間まで60歳と思っていたら、あっという間に65歳になろうとしている。こんな調子なら、これから先は、あっと言っているうちに棺桶に片足突っ込んでいる羽目になるだろう。
生あるうちに、やりたいことをやって楽しい幕引きをしようではないか。若い時分はつらいこと、苦しいことも、すべて糧となって、その後の人生に役立てようとの精神的・物理的余裕があるけれども、年取って残り短い人生には、つらい・苦しいは無用な経験であり、限られた寿命をさらに縮めるだけ。
とは言っても、ひとりで孤島暮らしをしているわけじゃない。考え方も価値観も違う人間同士が共に生きている現実から苦悩や悲哀が立ち上るのも避けられない。どう折り合いをつけ、どういなしていけるか、そこが年寄りの知恵というか「鈍感力」が重要となってくる。やっぱり、「ゆっくり、ゆったり、スローライフ」が高齢者向けの合言葉として、最も似つかわしい、か…！？
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