相撲における土俵上の「女人禁制」がかまびすしい。相撲協会は従来の伝統に則り、いかなる立場であろうと、土俵に女性は上がるべきでないとしている。最近では「ちびっこ相撲」への女児参加も禁止しつつあるという。
しかし、土俵に上げない理由が前時代的な「伝統」を持ち出しても、もう説得力は限りなく薄い。かたや米国人の高見山を土俵に上げて以降、日本人以外の外国人力士を迎え入れている。いまさら日本人としての伝統も何もないだろう。相撲は国際化され、世界の目が相撲に注がれるようになった。そんな時代の中、女性差別を助長するような「伝統」や「しきたり」は淘汰されねばならない。
女性ファンをがっちり掴むためにも、「ちびっこ相撲」の女児参加禁止といった愚かしい真似をせず、従来以上に受け入れて、相撲を盛り立てていけばいい。女性相撲の国際大会まである時代である。国民の半数を占める女性の支持を獲得し、相撲が隆盛を極める方向へ進めることが今の相撲協会には求められるのではないか。
本場所取組み前後のあいさつなどで女性が土俵に上がることも認め、「女人禁制」の古色蒼然たる「伝統」は放棄すべきである。それが相撲界の閉鎖的で暗いイメージを一新する有効な手立てとなる。相撲協会はこの好機を逃すべきではないと私は考えるが、果たして今の協会の面々に決断する度量があるか…。
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