翁長前知事の遺志を継いだ玉城デニー新沖縄県知事が誕生した。自公が総力を上げて臨んだ選挙戦だったが、県民の固い意思は揺るがなかった。直近の名護市長選では自公の厚い壁に跳ね返されていたので、この県知事選も苦戦するのでは、と心配したものの、自民党候補に８万票の差をつける圧勝で終わった。
日本における米軍基地の73パーセントが沖縄県に集中している。これによる事故・事件がどれだけ沖縄県民に降り注ぎ、犠牲を強いられてきていると思うのか。そしてさらに、自然環境と生態系破壊という深刻な被害をもたらす辺野古の海の埋め立てが県民の意思に反して強行されようとしている。
その最中のこの選挙結果。これを安倍晋三政府は厳粛に受け止め、米政府に対して、辺野古移設計画を中断・撤回し、米海兵隊の他地域への異動・編入・再編なりを提案することが緊急事案ではないか。と同時に、抜本的かつ具体的に、沖縄県に偏る基地の県外移設移転に着手すべきであろう。
シカゴマラソンで大迫傑選手が２時間５分５０秒の日本新記録で３位に入った。前半より後半のラップタイムが上がっているところをみると、調子がよければ３分台も叩き出せる位置に大迫はいると言ってもいい。ともかくすごい記録だ。世界記録は２時間を破ろうとしているが、２年後の東京オリンピックはタイムではない。圧倒的強さを誇った男子マラソン界。近年見る影もなかったが、瀬古利彦以来のスピードランナー・大迫が力をつけ、俄然面白くなってきた。
ところで、大迫のフォアフット（フットストライク）走法がことあるごとに取り上げられているが、世界では珍しくもなんともない。ただ、日本人では少ないだろう。私が初めてこの走法を知ったのはソウル、バルセロナ両五輪４位の中山竹通（たけゆき）だ。瀬古利彦の好敵手として登場した中山がこのフォアフット走法で42.195キロを駆け抜けていた。当時中山がいかに優れた筋力を持ち合わせていたかが証明されよう。
この連休中、娘が友人と鳥取県と島根県への旅に出ている。鳥取砂丘でサンドボード、バラグライダー、ラクダ乗りを楽しんでいる動画が送られてきた。ほかに、島根県の出雲大社でのスナップ、日本一の庭園を誇る足立美術館にも足を向けたようで、館内の横山大観の絵を鑑賞したという。今夜羽田着。
その娘が２年間のアパート暮らしに終止符を打ち、もうじき戻ってくる。いろいろと思うところあり、と推し測り、父親として言葉を飲み込んで迎えようと思う。リチャード・バックの言葉が浮かんでくる。
「同じ屋根の下、家族と暮らすと成長しない」
でも、まぁ、去るもよし、戻るもよし、だ。
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