本日をもってコロナ禍に対する「非常事態宣言」を解除するという。結局、今7日から延長した2週間はいったい何だったのだろうか。すでに非常事態でも何でもない、緊張感も不安感も消し飛んだ世間の空気感を国のリーダーたちはどう読み取っていたのか。ただただ国民の「自助努力」と「自己責任」に期するのでは、高い給料を税金で払っている政治家など不要、無駄飯食いである。
ただ日延べして現状に変化があるとは誰も思っていないことが、平然とまかり通る我が国の政治実態。心底日本の未来を憂うばかりである。菅総理を始めとする現政権のリーダーシップはここに極まり、何の期待感ももはや湧いてこない。一党独裁による長期政権では、国民へ奉仕する義務感も、安心安全な国づくりと、未来への豊かな提言と実行を為す責任感も薄れ、私腹を肥やすことのみに精進する徒党と化す。
大きな権力を有する政治家には高い倫理観がなければ務まらない職である。さらに自身の判断や決断に誤りが無きよう、様々の異なった声や意見に広く耳を傾け、国民にとってより有益な方向へ導き示す重責があるのは述べるまでもない。
しかし、もはや誠実さも謙虚さも失い、自分（私利私欲）や党（党利党略）のために嘘を平気で並べ立てる「政治屋」ばかりが日本の舵取りを任されている。武田という総務大臣など、国会で明らかに嘘と分かる答弁を吐き続けるさまなど、ゴロツキそのものである。品性品格など微塵も感じられない。その親分が菅総理大臣である。
来たる国政選挙で無能で無惨な政治に審判を下すべきだろう。野党は確かにだらしない。力も意欲も欠けている。が、権力にあぐらをかき、ふんぞり返る自民党独裁が許される理由にはならない。すでに自民党政権は「モリ・カケ・サクラ」で改竄、隠蔽、偽装を繰り返し、河井議員夫妻の買収、吉川元農相の収賄、松本純議員等のコロナ禍での不適切行動など、自民党議員のあるまじき行為が頻発、さらに、菅総理のお膝元である総務省での官僚たちの不祥事も続いている。
権力を持ち続けると傲慢になり、聞く耳持たず、独りよがりになるのは常である（「絶対的権力は絶対に腐敗する」）。おそらく安倍政権から腐敗臭が一段と強まったのだろう。それは官邸が官僚たちの人事権を握り、官邸への気配り目配り─「忖度政治」を重視する方向に転換させたからに相違ない。この官邸独裁政治が閉塞感を深め、三権分立と民主主義を損ねている。
風通しのよい政治を取り戻すには、選挙で自民党を追い落とすしか驕った政治を修正できる道はない。繰り返すが、野党が期待できないから、自民党でいい、では自民党のゴーマンな私利私欲政治を正せない。野党連合政府を誕生させ、政治の浄化を少しでも進め、倫理的な指導者といえる真の政治家の誕生を切望する。悪しき慣習と既得権益にドップリ浸かった高齢政治家はもうたくさんだ。願わくは、30〜40代の高い政治理念と倫理観をもつ情熱ある男女政治家を求めたい。
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