予想をはるかに凌ぐ勢いで感染者が増大している。東京都で4000人に迫り、過去最多を現在更新中。その7割が20〜40代というから、この先が極めて危ぶまれる。もう「緊急事態宣言」をただ発出しても、動きが活発な蛙（若者、中年）の面にションベン、である。事実、東京都は緊急事態発令中にもかかわらず、人出は一向に減ずる様子が見られない。
こうなると医療体制崩壊の一歩手前で、何としても食い止めなければなるまい。といっても、国のリーダーたる政治家がまったくやる気がないからどうしようもない。今は目下進行中のオリンピックを盛り上げることしか眼中にないのだろう。日本の選手が活躍すればするほど、国民の目は政治の失態から逸れていく。菅首相のほくそ笑む性悪顔が目に浮かんでくる。
百田尚樹─以前よりその時代錯誤的な発言の多さから、てっきり明治大正生まれの超高齢作家かと思いきや、私より若い65歳の戦後生まれというから、まさに驚き桃の木である。その百田が「テレ朝の“モーニングショー”は五輪開催に反対したんだから、スタジオに呼んだソフトボールの選手にまず謝れ。そうじゃないと筋が通らないぞ」と自身のツイッターで激怒したとのネット記事を読んだ。
相変わらず庶民の目線を無視しての発言。独りよがりも大概にしてほしい。そもそも東京五輪開催に国民の6割以上が反対していた事実を忘れてはいないか。国民の不安を適切に報道し、分析解説していた「羽鳥慎一モーニングショー」に噛み付くサマは、自身の偏向ぶりと狭量さを曝け出して、醜態そのものだ。
百田の作品、何一つ読んでいないので、小説家としての力量を知る由もないが、ツイッター等の発言を聞くにつけ、戦後民主主義を「占領民主主義」として否定し、反戦思想を軸とした骨太の民主主義を貫いた城山三郎とは正反対の立場を取る人物であることは確かだろう。ツイッターでフェイクを含んだ毒言を流すのはドナルド・トランプと同種同類。晩節をどこまで汚せば気が済むのか。歳を取ると見境がなくなるのも老害と言われる一因。「人の振り見て我が振り直せ」か。銘肝しよう。
|
