デルタ株の猛威は衰えることを知らず、全国津々浦々で感染者が急増している。東京における自宅での待機者は４万人を優に超える最悪の事態を迎えた。入院していれば救える命も、自宅に捨て置かれ、望まぬ死と向き合わなければならない。最期は自宅で溺れる苦しみを味わいながら死んでいく…・
（コロナウィルス収束に向かって）「明かりははっきりと見え始めている」と語った我が国のリーダーはいったいどこからどう見れば明かりが見えてくるというのか。今現実社会で起きている悲惨な実態を直視しないばかりか、誤った期待を平気で抱かす菅総理には、一刻も早くこの国の指導的立場から降りていただきたいと思う。
先の横浜市長選でよくぞ野党推薦候補の山中竹春氏を勝利に導いたものと、横浜市民に拍手を送りたい。このコロナ禍ゆえに投票率が低ければ、岩盤な組織票をもつ自民党候補が俄然有利と推測していたが、前回より１２ポイントほど投票率が上がったことにより、新人候補が小此木前国家公安委員長と林現市長に圧勝したのは、菅総理へＮＯを突きつける意味を充分持ちえたのではないか。
とは言っても、厚顔無恥な自民党執行部と菅総理は、単なる地方選挙結果に過ぎないとし、自分たちへの批判票との見方を否定して、来月の自民党総裁選を菅支持で乗り切ろうと目論んでいる。菅の対立候補として、岸田文雄元外相が総裁の座を争う一番手と見られるが…。
今はある種国民の生命が損なわれる「国家的危機」を迎えている。そんなときに「総裁選び」にうつつを抜かして政治空白をつくるな、との意見は最もであり、そんな暇があるなら、臨時国会を召集せよ、との声には首肯できる。だが、一方、菅総理の目に余るリーダー力欠如は「国民の生命・財産」を守るどころか、有害この上ない事態を生み出しており、これ以上黙認できないところまできている。
まずは、あぐらをかいて緊張感も現実認識にも欠ける菅総理大臣にはお引取り願って、線が細く頼りなげだが、陰険で狡猾な目をもつ菅と比べて、目の濁りが少なそうな岸田に、真摯に危機意識をもって我が国を導いてもらいたい。そして、来たる衆院選で、自民党を下野させ、野党連合政権の誕生を切望したいところである。
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