今日で北京冬季オリンピックが閉幕する。ジャンプ、スピードスケート、スノーボードハーフパイプ、フィギュアスケートなどテレビ観戦した。以前ほど五輪に熱中しなくなったのは、どうやら老化ばかりのせいではないらしい。考えてみると以前ほどハラハラドキドキするほどの番狂わせがなくなったからではないか。
米国のデータ会社「グレースノート」のメダル事前予想が的外れにならないのも、年間を通して世界の国内外大会での情報を詳細かつ的確に分析しているからである。ネットワークが張り巡らされる以前は大まかな情報から推察判断するしかなかった。それだけに、思わぬ伏兵が現われ、下克上のような競い合いが起こり得たのではないか。
ジャンプにおける天候の良し悪し、スケートリンクの穴とか溝？、など運不運もあろうが、概ねランキング上位者がメダル争いを繰り広げる。金メダルを獲得した平野、高木、小林の各選手然りである。
そうした中、印象に残った一例として、フィギュアスケート女子のエカテリーナ・クラコワ選手がいる。ロシア出身のポーランド代表で19歳の小柄なスケーターだが、ショートを終えて25人中24位と奮わなかったものの、フリーでは見事な演技を披露、ショート11位の米国マライア・ベル選手が202点の高得点を出すまで、トップの座を守り続けた。
フィギュアといえば、ロシアのカミラ・ワリエワ選手は可哀想だった。そもそもスケートリンクに立たすべきでなかったと思う。ドーピングでワリエワを守れなかった周囲関係者がすべて悪い。世界中からボロクソに叩かれれば、そりゃ精神も滑りもボロクソになるわ…。質の高い4回転とトリプルアクセルを跳べる身体能力、そして、しなやかで優美なバレリーナのような表現力をもつワリエワの復活を心から願いたい。
さらにフィギュアがらみでひと言。5種類の4回転を跳んだネイサン・チェンも怪物だが、ロシアのアレクサンドラ・トゥルソワは凄すぎる。「赤毛の魔女」と命名したい。4種類の4回転を5回跳んだ。それも後半に4回転ルッツとトリプルトゥループのコンビネーションを織り込むという超絶技。もう笑うしかないウルトラ演技だった。アスリート系のトゥルソワ選手には是非とも豪快なトリプルアクセルを今後期待したいところだ。
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