党の幟を背に、駅頭でチラシを配る議員候補の姿が目立つようになってきた。参院選がいよいよ来月に迫っている。こんなに円安になり、アベノミクスの失敗が明白であっても、自民党を支持し続ける我が国民からは、参院選を前にして、自公の政権を揺るがす気配が微塵も伝わってこない。
物価は上がっても、給料は上がらない、先進国の中でも断トツの不健全経済国が我が日本。小泉純一郎政権以降、新自由主義に基づく「成長戦略」が不首尾に終わり、安倍晋三や竹中平蔵らが推し進めたアベノミクスでさらに経済の悪化を招いた。ロッカーから時計等を盗んだ、小者のくせにやたら声が大きい高橋洋一といった御用経済学者たちの責任も大きい。
そのアベノミクスの反省も是正もなく、アベノミクス推進役だった黒田日銀総裁は、反省するどころか、この不況と物価高について、「（国民の）家計は値上げを許容している」という、安倍元首相に負けず劣らず、庶民離れの傲慢な現実認識を示した。
自民党政権を支持し、私腹を肥やした議員や官僚、学者などが牛耳る国に明るい未来はない。であっても、国民の半数以上は、そうした既得権益にしがみつき、私利私欲を貪り、国民の血税を国民のために活かせない利権集団を選挙で追い落とす選択をしない。
なぜなら、野党が国民の意思を正しく実行・推進する受け皿になっていないからだ。参院選で「利権集団・自民党」を追い落とすには、野党が統一するしか道はない。ところが、その野党が烏合の衆で、政権を奪取する気迫がまったくないとくるから、始末が悪い。これでは選挙の投票率が上がらないわけだ。
共産党とは組めない、などとごねている視野も度量も狭い野党では「政権交代」など夢のまた夢である。野党の多くが自民党崩れの議員で構成されているから、昔からの「共産党アレルギー」が野党共闘を阻んでいるといえなくもないが、もう頭の中身がアップデートできない議員を総入れ替えしなければ、日本の政治は変わりようがない。
共産党も、伝統と歴史の重みをもつ党名を大事にしたいのは理解できるものの、頑な過ぎる。新たな政治史を刻む気概で、新党名を創り出し、構成議員の半数を女性にして、明るい未来へ導いていって欲しい。このままでは全国各地で身を粉にして運動する共産党支持者は浮かばれない。
どこか陰湿なイメージがつきまとう日本共産党。党名を一新し、女性議員を５割にして、広く国民に向け、庶民の目線重視、原発ゼロ、平和憲法遵守、沖縄基地縮小等の党是を、粘り強く、柔軟に訴えていくことを切望したい。
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