岸田文雄首相の長男が政策秘書を更迭された。また“文春砲”の洗礼を浴びた結果の辞任となった。首相公邸でのドンチャン騒ぎはさすがに拙いだろう。岸田総理の管理責任も免れまい。ヒロシマＧ７で支持率を上げ、気をよくしている場合じゃないね。
長野での立てこもり事件は不条理極まりなく、呆れ果てるばかりか、恐怖感すら覚えた。勝手な思い込みで二人の女性がナイフで虐殺され、二人の警察官が無慈悲に虫けらのごとくスラッグ弾が込められた猟銃で撃ち殺された。突然身内を失ったご遺族は、こうした事態をどう整理していいのか、困惑の極みにあるに違いない。
故ジャニー喜多川による未成年者への長期間の性加害について、テレビ報道関係者は厚顔無恥にも自分たちの忖度報道を棚に上げ、これからのジャニーズ事務所をしっかり見守っていく必要がある、といったコメントを正義面して垂れ流している。まずは、ジャニーズの人気タレントたちがそれぞれのテレビ局の番組に出演しない事態を恐れるあまり、それまでに伝え漏れ聞く性加害を看過してきた事実をどう受け止めるのか。犯罪に加担したと言われかねないほどの重大責任について、まずはこうべを深く垂れ、自省するべきではないのか。
ネットニュースで知ったことだが、「羽鳥慎一モーニングショー」に出演する辛らつさが売りの玉川徹のコメントも牙が抜け、メディアの一員としての危機感は伝わってこなかった。日本のメディアは権力者に対して弱腰すぎる。今後、民主主義国家であり続けるには、メディアの権力者への監視能力しだいである。メディア力が低下すれば、そく独裁国家に転落する。巷での「マスゴミ」という俗名は羞じて欲しい。
今月1日、ゴードン・ライトフットが84歳でこの世を去った。このカナダ人シンガー・ソングライターを知って早半世紀。日本広しといえども、彼のファーストアルバムを始めとした全アルバム（晩年のアルバムは除く）を所有しているのは私ぐらいでは、と無意味に胸を張るほどの不変のファンだった。
知るきっかけとなったのは、米軍のラジオ放送局（ＦＥＮ）を何気なく聴いているときだった。クリアな生ギター音とストリングスの甘い旋律、そして、力強さの中に哀愁が漂う男性ボーカル。曲が終わるや、ＤＪのサージェントが発したBeautiful Song!という言葉が今でも鮮やかに甦る。
その後、この曲名とシンガー名を探り出すのにどれだけ時間を費やしたことか。今でこそネットであらゆる情報をたやすく入手可能だが、当時はラジオかレコード店からしか情報を得る手段を知らなかった。学生という時間がある身分でも半年ぐらいはかかったのではないだろうか。
『心に秘めた想い』─間違いなく彼の代表曲であるこの作品を、我が生涯の忘れがたい1曲として、命果てる日まで心に深く刻まれ続けるだろう。さらば、ゴードン。天国では酒はほどほどにね。
|
