ついに福島原発の処理水という「汚染ゴミ」が海に放水された。福島の人たちへの説明責任を果たさず、理解を得ないまま、実行するといういつもの自民党の手口だ。結論ありきで、理解は後から得ればいいといったやり方が、最近とみに目にあまり、鼻につく。何もかもが拙速に軽々と決して行くありようは、日本の先行きに危うさを感じてならない。
専門家も国際基準も安心・安全、って、2011年の東日本大震災における原発事故を経験した身であるなら、はい、そうですか、とはならない。こと原発に関しては、安心・安全はありえない。処理水をいくら薄めても放射能は薄まらない。つまり放射能のリスクは永遠に残るのである。問題はどの程度それを許容するかである。素直にデータを示し、理解を求めればいいのに、欺いたり、誤魔化したり、隠蔽したりするのが自民党である。
原発が大きな利益を生むから、東日本大震災の悲劇があっても、原発推進を止めず、止めるどころか、他国へ原発を売り込むというから始末が悪い。岸田首相がヒロシマ出身といってもジョークとしか思えない。東日本大震災による原発大災害を目の当たりにしたドイツは、それ以降原発政策から手を引き、自然エネルギーに依存する国へと舵を切った。
本来ならば、世界に先がけて原発事業から撤退するべきだった我が国は、今後の大地震で存亡の危機を迎えることにならないか、心底危惧する。原発推進派は「処理水を流しても問題なし。大騒ぎする中国人こそ問題」と自民党を擁護しているが、彼らの主張を聞いていると、よくぞそこまで原発を盲目的に賛美できるなと思う。
ホリエモン（堀江貴文）は言わずと知れた原発推進派だが、原発反対派を「左翼」呼ばわりする。彼にかかれば「反自民」はイコール左翼だから、驚きはしない。もはや「左翼」に値する人物はどれだけいるだろうか。コチコチの共産主義信奉者の絶対数などたかが知れてる。
右とか左とかのイデオロギーを問う見切り方が誤っている。世界中、行き過ぎた資本主義社会のダメージがいろいろな形で噴出している。そのひとつが原発である。人生100年、暮らしやすい安心安全な日本を考えるとき、地震大国の我が国に原発は不要、と思うのは「左翼」だからではない。
ホリエモンは原発反対派を「無知で愚か者」扱いするけれども、そのままその言葉をお返ししたい。
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